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2007/12/23付 北國新聞
※文中の肩書き、年齢等は当時のものです。

ほくりく経済特番 〔金沢検定、企業が熱視線〕
「金沢通」をビジネスに生かせ 金沢ニューグランドホテル、合格者が文化遺産ガイド 冨士タクシー、観光車両に優先乗車 「宝の持ち腐れ」にしない


 金沢検定(主催・社団法人金沢経済同友会)をビジネスに生かす動きが広がっている。検定合格者が案内する文化遺産巡りを宿泊プランに設定するホテルや、合格した運転手を優先的に観光案内に回すタクシー会社が出てきた。各企業は合格者を「宝の持ち腐れ」にせず、ビジネス拡大に積極的に活用。「金沢通」の人材をもっと増やそうという意識も高まっている。

 「石川門の見どころは瓦です。民家の黒瓦とは違い、鉛を使っているから白っぽく見えますよ。色合いにも注目してください」
 金沢ニューグランドホテル(金沢市)の一階カウンター。昨年の初級に続き今年、中級に合格した宿泊部チーフマネージャーの八木主之さん(57)は、中級合格者の“証”である兼六園の「徽軫灯籠(ことじとうろう)」のバッジを付け、手作り観光マップを見せながら、金沢城や兼六園の散策コースを紹介している。
 同社は来年三月から、「金沢検定合格者が案内する宿泊プラン」(仮称)と銘打った新たな取り組みを始める。
手作りの観光マップで散策コースを説明する中級合格者のホテルスタッフ=金沢市内のホテル
 合格バッジを付けたホテルのスタッフがガイドを務め、ホテル周辺の文化遺産を徒歩で案内する。「“金沢通”だからこそ、ひと味違ったプランになる」(庄田正一社長)という。
 合格者が少なければ当然、プランも充実しない。同社は今年、会社持ちで検定料を負担し、十三人が受験、中級一人、初級四人の計五人が合格した。五年後をめどに、全社員約百人のうち、上級を含め二十人以上の合格者を目指すことで、プランに厚みを持たせる。

 先月十八日に行われた第三回金沢検定は、二千四百二十八人が受験。初級、中級、上級合わせて五百十三人が合格した。
 この中には、職場ぐるみで受験するケースも目立った。NTT西日本金沢支店をはじめとするNTT西日本グループは、任意の参加を呼びかけ、多数が受験。NTT西日本-北陸(金沢市)の中からは、上級合格者も出た。

 「ゴーゴーカレー」を展開するゴーゴーシステム(金沢市)も、受験を奨励。合格者には、店名にちなみ、報奨金五万五千円を贈ることにしており、同社は「金沢を勉強することで金沢への愛着を深めたい。ふるさと愛を仕事にも生かしたい」と説明する。
 職場ぐるみでの受験が広がっているのは、合格者の知識を、ビジネスに生かす狙いもある。観光誘客の強化に“金沢通”の知恵を使うのはJR西日本金沢支社だ。同支社では、東京、大阪、名古屋の三大都市圏向けのパンフレットを作成する際、合格者のアイデアを取り入れる。初級に合格した支社の酒井俊臣次長は、「通り一遍のツアーではなく、掘り下げた旅を提案していきたい」と語る。

 金沢漆器の能作(金沢市)は、店内に同社役員の合格認定証を展示して観光客にアピールする。従業員にとっても、合格証に恥じない対応を意識し、接客力の向上にもつながる。

中級合格のバッジを付けて勤務するタクシー運転手=金沢市内
 タクシー各社も、検定合格者を観光案内に積極的に活用する。会社が検定料を負担している冨士タクシー(金沢市)は、合格した運転手に優先的に「貸し切り」の仕事を回す制度を導入した。
 運転手の一日当たりの売り上げは高くて二万円前後だが、貸し切りになると一回で二、三万円を稼げることもあるという。中級に合格した中村邦彦さん(53)は「知識を深め、お客の満足度向上につなげたい」と話す。
 大和タクシー(金沢市)も一人二回まで検定料を負担し、合格した運転手に市内観光を優先的に回す。

 「挑戦する気概を従業員に見せたかった」
 七十九歳での初級合格となった老舗料亭「金城樓」(金沢市)の大女将(おかみ)土屋久美さんは、受験理由をこう語る。金城樓では、大女将の合格で老舗の格式がさらに磨かれると期待を込める。

 企業人にも広がる「金沢検定熱」。合格者を活用したビジネス展開は、来年以降も加速しそうだ。



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